この採集は最高に楽しいので、これにはまってしまう人もいます。
でも、最近は見つけるのが難しくなってきました。ヒメオオクワガタは、クワガタマニアにとって、最初の憧れかと思います。
ヒメオオクワガタはどこにでもいる種ではありません。
関東近郊だと標高1000m以上のブナ帯の中に局地的に生息しているクワガタムシです。
関東近郊の生息地だと、コルリクワガタ、ルリクワガタ、ツヤハダクワガタなどの高山系のクワガタの分布域とほぼ重なっています。
福島県の檜枝岐村は、月刊むし1982年11月号でヒメオオクワガタのヤナギに集まる習性が紹介されて以来、ヒメオオクワガタの採集地として一躍有名になりました。
現在は有名林道が閉鎖され、国道沿いもあまり採れなくなりました。
今でも採れるポイントですが、生息域はかなり局地的です。
そのほか、山梨県や群馬県でも有名産地があります。
関東圏では、標高の高い山がない千葉県以外では、すべての都県に採集可能な生息ポイントがあると思われます。
ルリクワガタの材割採集で、ポイント情報が載っている記事を紹介していますが、ヒメオオクワガタの生息地とほぼ重なっていると思いますので参考にしてください。→ルリクワガタ産地情報
ヒメオオクワガタは、一般的にはヤナギにつくと言われます。
ブナ帯のヤナギはシロヤナギ、バッコヤナギなどたくさんの種類があり葉の形が大きく異なります。檜枝岐ではシロヤナギが多いようです。
またウダイカンバ、ダケカンバなどのカンバ類などでもよく見かけます。ハンノキにも多いとされています。
ヤナギにだけを見ていると見落としがちですので、いろいろな種類の木に注意する必要があります。
ヒメオオクワガタは秋のクワガタと言われています。
しかし、経験上、時期は6月くらいからはじまります。一番多く採れているのは福島と群馬の実績からみると8月で、次に多いのが7月でした。
9月の採集実績は少なく、ほとんどが上旬のものなので、9月中旬くらいまでが採集しやすい時期と言えるかもしれません。
ただし、兵庫県での採集経験からすると、関西などではもっと遅くまで採れると思われます。
とにかく生息地のヤナギ類、カンバ類をひたすら見て発見することが第一です。
生息地でも、分布はかなり局地的なので、広大なブナ帯のうち、一部のゾーンに集中している気がします。
双眼鏡も有力な武器で、ヒメオオオクワ採集をはじめたら欲しくなります。
自然観察用に万能なのは、最短合焦距離の短い10倍×口径40mm程度のものですが、やや重たいので、昆虫採集用ならば、もっと小型の8倍×25mm程度のものでもかまいません。
小型のものでも必ず信頼できる有名な光学メーカーのものを買うようにしてください。有名メーカーのものは高価ですが、安物は使い物になりません。お店で実際に除いて見て、見え方を確認してから購入しましょう。
発見したら興奮度MAXになるんですが、樹液や灯火では、見つけたらほぼ捕まえたも同然ですよね・・・でもヒメオオクワガタは違います。
発見からネットインまでが難しいのが、ヒメオオクワガタです。
見つけたヒメオオは、皆さんの場所から2~3mか、場合によっては10mくらい先の枝にいるかもしれません。
ヒメオオクワガタ採集には、捕虫網が絶対必要になり、長めのシッカリしたものが必要です。
夏になると、スーパーやホームセンターなどで子供向きの捕虫網が売られています。しかしヒメオオクワガタの採集では、ほとんど役立ちません。
アマゾンのリンクを貼りました志賀昆虫のものは、本格的な捕虫網ですが、これでも1.5mなので、ヒメオオ採集を目的とした場合は短すぎて役に立ちません。
志賀昆虫のような老舗の品物は安心ですが、昆虫採集道具は需要が少ないためか、高価なものが多いですし、長さの選択肢も限られます。
そこで多くの方が使っているのが「タモの柄」です。
ようするに釣り道具のタモ網の柄です。
ヒメオオ採集には、最低でも2.5m以上。できれば5m~9mと、長めのものがあるほうが圧倒的に便利です。
志賀昆虫のスプリング枠は軽量で強くしまう時もコンパクトでおすすめですが、ネジが一般的なタモの柄とは合いません。
そこで下記のようなジョイント金具が売り出されています。
一般的なタモの柄は12mm口径のメスなので、それに合わせる形になります。
ヒメオオクワガタは、刺激を与えると、すぐにポロリと落ちてしまいます。
長い捕虫網をヒメオオの下に差し出して、ネットインする、と言えば簡単ですが、なかなか難しい場所にいたりして、一筋縄ではいきません。
みなさんも私たちと一緒に経験してみませんか??