クワガタ採集の基本・・・樹液採集

ノコギリクワガタ 伊豆で採集
伊豆で採集したノコギリクワガタ 2018年夏

まずは樹液採集をやってみましょう!

東京近郊にもたくさん採集ポイントがあります。

例えば千葉県の野田→こちら参照

①必要な準備

①ー1.服装

  帽子・・・必需品です。

  タオル・・首を虫から守るほか、汗拭きにも必須。

  長袖、長ズボン・・・できるだけ肌を露出させないことが、ケガの防止にもなります。

  軍手・・・上記と同じ理由です。

  はしっかりしたスニーカーや軽登山靴など。サンダルは、ケガのもとです。

       虫よけスプレー・・・蚊にさされないため。アブ対策にもなります。

  小さなリュックウエストポーチがあると便利です。

 

そのほか、採集に常備しているものは、飲料(ペットボトル)、バンドエイド、雨具(カッパ)などがあります。


クワガタ採集用懐中電灯
懐中電灯の例:上記のものはヤフーで1680円

①-2.必要な装備

  懐中電灯・・・昼間の下見の時にも必要です。灯火採集など、いろいろな場面で活躍する必須アイテムです。

 明るいものを選びましょう。

ホームセンターなどでありあわせのものを選んでもそれなりの価格になり、結局無駄遣いになります。

通販で小型で明るいものを探したほうが断然良いです。

   下記リンクを参考に、明るくて持ちやすそうなものを選びましょう。

価格は1000円~3000円くらいのもので充分です。

ヘッドライトを併用すると、効率が格段にアップします。

→安価で高性能なヘッドライトの例    サクル本店  安価なライトがいろいろとラインナップされています。

上記のヘッドランプは1580円
上記のヘッドランプは1580円

※懐中電灯の電池について・・・



※懐中電灯の電池について・・・

古い電池は明るさが減少し、成果にも影響しますので、毎回必ず新品に変える必要があります。

しかし使い捨てで、毎回買いなおしていたら電池代が馬鹿になりません。

充電式のほうがコスト的には安あがりなので、断然おすすめです。

 

 初期コストは多少かかりますが、それ以降は電池の買い足し、廃棄などにも気を使わずに、コスト的にも安いので、必須アイテムと言えるでしょう。一度に充電できる数と、時間の制約を考えると、複数個持っておくと便利です。

特に旅行先などでは、充電器不足が時間的な制約があるので致命傷になります。

また、懐中電灯は単2、単3など、いろいろな電池を使うので、下記のようなスペーサーを同時に購入しておくと便利です。

私のヘッドランプは単3、手持ちの懐中電灯は単2なので、このスペーサーをつかって、単3→単2に変換して共用しています。

充電も同時にできてとても便利です。


  ピンセット・・・洞に潜んでいるクワガタをつかみ出すのに必要です。これはありあわせの安物で可。ドラッグストアなどで数百円で売っています。

クワガタ採集用のルアーケース
採集時のルアーケース例

ルアーケース・・・複数のクワガタを保管する時は、虫かごだと噛み合ったりしてきずものになりやすいので、個別に入れられる容器が便利です。専用のものは無いので、ホームセンターなどで、ルアーケースやツールボックスなど、適当なものを探します。→ルアーケースの例(アマゾン)

フタがしっかり閉まるものでないと、クワガタは簡単にこじ開けますので注意が必要です。

虫捕り網・・・購入するなら本格的なものがおすすめです。夏になるとホームセンターやスーパーで子供向きのものが売られていますが、実際の採集にはあまり役に立ちません。

※虫捕り網の選び方・・・

下記 志賀昆虫社のものは、定評ある老舗の品物で、昆虫採集全般に使えます。

志賀昆虫の捕虫網は優れた品物ですが、柄の長さなど目的にあったものがほしくなってきます。しかし昆虫採集道具は需要が少ないためか、高価なものが多いですし、長さの選択肢も限られます。そこで多くの方が使っているのが「タモの柄」です。

ようするに釣り道具のタモ網の柄です。⇒①

 

 


志賀昆虫のスプリング枠は軽量で強くしまう時もコンパクトでおすすめですが、ネジが一般的なタモの柄とは合いません。

そこでこのようなジョイント金具が売り出されています。

一般的なタモの柄は12mm口径のメスなので、それに合わせる形になっています。


タモの柄+スプリング(ネットの輪っか)+ネット+ジョイント金具 で最強の捕虫網が完成します。あとはみなさんでいろいろ工夫してみてください。ネット②とスプリング③は別売りなので、購入時に注意しましょう。

志賀昆虫のスプリングとネットとをセットで購入し、竿はタモの竿と合わせることによって、本格的な網としてバッチリ使いやすいものになります。

ぜひ一度おためしください。

①+②+③+④ で、最強の捕虫網の完成です。

釣りは愛好家が多いので、タモの柄は様々なものが販売されていますので、釣り道具店などでお買い得品を見つけて、網+スプリング+ジョイント金具を通販で買うのも手です。


②クワガタがいる雑木林を見つける

クワガタが採集できるクヌギ
これがクヌギの木

②-1.クワガタがつく木を覚える

  クワガタはクヌギ、コナラ、アベマキ、ヤナギ、高地ではカンバ類など、いろいろな広葉樹につきます。

  でも一番多いのがクヌギなので、まずはクヌギの木を見分けましょう。

これができないと、クワガタ採集は始まりません。

  ネット上でいくつかの写真を見比べて、特徴を覚えておきましょう。

   もちろん図鑑も参考になります。

 

 ↓おすすめの図鑑

クワガタが採集できるクヌギクワガタが採集できるクヌギ

クワガタが採集できるクヌギの雑木林
クヌギの雑木林

②-2.クヌギの雑木林をさがす

   木が多い大きめの公園なら可能性がありますが、すこし郊外に行って、田園風景が広がるエリアなら、雑木林はたくさんあります。

 

   昼のうちに下見しておきます。

 

   東京なら、23区内にはほとんどありませんが、私の住んでいる葛飾区の近くなら流山市、野田市、八潮市、三郷市などで採集経験があります。

神奈川県でも横浜市青葉区以西には、豊富な緑があります。

ちなみに、このページの写真は野田市で撮りました。これくらいの林でも、コクワガタやカブトムシは普通に採れます。→野田市の採集記はこちら

   

自分の家から近い場所で、探してみましょう。

 

 Googleマップは、航空写真もあるので、どのへんに林が点在しているのかがわかりますので、めやすにして、実際に現場を確認します。田圃や畑に沿ったあぜ道沿いなどに、比較的入りやすい林があります。

←2021年夏のBe Kuwa は、日本産全種クワガタの採集方法を特集



③クワガタがいる木を探す

カブトムシがいるコナラ
昼間の樹液ポイント

③-1.明るいうちに樹液のでている場所を探す

   目立った雑木林でも、ほとんど樹液の出ていない林もありますので、雑木林が見つかったら、林縁部の木を観察します。           

   樹液の出ている場所には、昼間でもカナブンがいたり、蝶が飛び回ったりしています。そして、 樹皮がめくれたあたりがジクジクしていて、酸っぱい匂いがします。近づいて良く見ると、ケシキスイのような小さな甲虫が樹液を吸っていたりします。

そのような場所は、夜になるとカブトムシやクワガタが集まります。

    

 このページの写真は2018年夏に、千葉県野田市で撮影しています。これくらいの雑木林なら、車で流しながら十分見つける事ができます。

このような場所はススメバチも多いので気をつけてください。

 

採集記はこちら

 

カブトムシが群がるクヌギ

③-2.夜に樹液の出ている場所を再訪する。

           樹液の出ている木だけでなく、周囲も良く観察します。昼間は気づかなくても、ほかにも樹液を出している木があるかもしれません。

    また、木のめくれや洞の中も良く確認します。ヒラタクワガタなどは、関東に於いては洞の中にいることがほとんどで、樹の表面を歩き回ったりしていることはまれです。

    

④地域別とれるクワガタ

採集したミヤマクワガタの標本

樹液採集で採れるのは、コクワガタ、ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタ、ヒラタクワガタなどです。

 

これは地域により分布が異なります。

 千葉や埼玉の標高の低い地域では、ミヤマクワガタはほとんど採れません。ノコギリクワガタとコクワガタが多いです。

 

伊豆のミヤマクワガタ

東京都下で多摩地区に近いエリアや、埼玉でも所沢方面など西に近づくとミヤマクワガタが採れるエリアが増えます。

 

伊豆あたりでは、ミヤマクワガタが多くなります。またノコギリクワガタだけでなく、ヒラタクワガタも採集できるようになります。

→採集記はこちら

 

一般的には標高の高いところにミヤマクワガタが多いと言われていますが、地域によって大きく異なります。

ちなみに関西では、平野部でもミヤマクワガタは多く、和歌山だと、ノコギリクワガタの方が少ないくらいで、大型のミヤマクワガタやヒラタクワガタがよく採れます。

皆さんの住んでいる地区はどうでしょうか?掲示板などに情報記入くださるとうれしいです。

⑤ヒラタクワガタの採集方法

ヒラタクワガタは普通種ですが、関東地方に在住の方にとっては比較的採集が難しい種類だと思われますので、少し詳しく述べます。

 

⑤-1.ヒラタクワガタの採集方法

関西では駅の街灯でも採れる事がありますが、関東では中々そのような機会は少ないです。ノコギリクワガタなどに比べて、飛び回る事が少ないからだと思います。

 

徹底して樹液を探しますが、ノコやコクワのように樹液にぺたんと付いていたり、ウロウロ歩き回っている事は稀で、ほとんどは洞の中に隠れています。

 

樹液が出ている洞があれば、その奥とか、すき間を良く探すことが重要です。

採集した大型のヒラタクワガタ

⑤-2.ヒラタクワガタの採集地

ヒラタクワガタの生息地は、標高の低い温暖な地域の雑木林です。

もともと南方系のムシなので、高い標高の寒冷な地域にはほとんど生息していないと思われます。

 

関東近郊でもっとも採集しやすいのは伊豆半島のエリアですが、埼玉県所沢などでも採集経験があります。

東京の東部に住んでいる方には残念ですが、千葉県などでは個体数がかなり少ないです。

むしろ、調布や府中、東村山といった都下のほうが採集できる可能性があると思います。

 

関西では和歌山県では比較的多産し、ノコギリクワガタより多いようです。

兵庫県でも多くの採集経験があります。

 

 →伊豆半島採集エリア情報

→伊豆半島採集記