みなさんがクワガタムシの採集に関して語ろうとすると、門外漢の方から「カブトムシとクワガタはなにがどう違うの?」などと聴かれたことがあるかもしれません。
そもそもクワガタムシってどんなムシなんでしょうか?
あまり難しいことを説明はしません(できません)が、そもそものところだけを説明します。なお、この記事は保育社や北隆館などの図鑑に載っている記述を参考にしておりますのでご了承ください。
クワガタムシは、昆虫の中でも、鞘翅目(甲虫目)という仲間に入ることは、このページを見ている方には当たり前の知識ですよね。甲虫の仲間は種類がやたらと多く、この地球上で最も繁栄している動物です。
この甲虫目は、4つの亜目という分類にまず分けられているとされています。
①始原亜目(ナガヒラタムシ科)
②粘食亜目(ツブミズムシ科 )
③食肉亜目(オサムシ上科:オサムシ科、ハンミョウ科、ゴミムシ科,ゲンゴロウ科 など)
そして、一番おおきい亜目が④多食亜目(カブトムシ亜目)といい、コガネムシなど主な甲虫はほとんどこのグループです。
始原亜目、粘食亜目はよく知りません。興味がある方はご自身で調べて、お暇があればこの掲示板に投稿して教えてくださればたいへんありがたい。
では、クワガタムシ科=クワガタムシの分類の基準となる特徴はなんでしょうか?
いちばん目立つ特徴はやはりあのオオアゴです。でもクワガタのメスのオオアゴくらいの大きさのアゴなら、カミキリムシや、ハンミョウ、ゴミムシなど、いろいろな甲虫にみられますよね。
クワガタムシ科の形態上の特徴は、
①腹部の節が5節
②触角の先端部(片状節=右の図で8~9節)が密着していない。
③第1節と第2節が膝状に屈曲している。
となっています。
特に③の特徴は見た目にも分かりやすいですが、ツヤハダクワガタ、マダラクワガタ、マグソクワガタはこの特徴に沿っていないようで、マグソクワガタなどは明らかに膝状に屈曲していません。
この3種はほかのクワガタとは少し離れた種類と言えそうですね。
マグソクワガタがクワガタかどうかについては、専門家の先生でも諸説ありましたが、今ではクワガタムシ科に属するということになっているようです。
参考文献である保育社、北隆館の図鑑を載せましたが、価格はとても高価ですし、図版は新しい図鑑に比べかなり見劣りします。
しかし解説文はかなり詳しいので、図書館などで内容を確認していただければと思います。
このサイトでは、専門的な説明をする知識も資格もありませんが、分類についての基本は、イベントなどでもわりと質問を受ける点なので、そもそもの基本について説明しました。
ご参考にしていただければと思います。