クワガタのうち、見分けが難しい種類の見分け方を解説します。
特に図鑑でも説明がないメスの見分け方も、これで実戦的に見分けることができます。
ルリクワガタ類で代表的な種類である「コルリクワガタ」「ルリクワガタ」「ホソツヤルリクワガタ」のメスの見分け方のポイントを説明します。
※ニセコルリクワガタは採集経験がありませんので、触れておりません。
コルリクワガタは、現在は「コルリクワガタ」「トウカイコルリクワガタ」「ユキグニコルリクワガタ」「ニシコルリクワガタ」の4種に分類されていますが、形態から見分けるのは難しいので、この4種は分布域から判断してください。
山梨、静岡、長野中南部 →トウカイコルリクワガタ
長野北西部、新潟、福島西部、山形→ユキグニコルリクワガタ
埼玉西部、長野北東部→ユキグニコルリクワガタ秩父亜種(チチブコルリクワガタ)
群馬北部、栃木北部、福島東部→コルリクワガタ
※詳しくは月刊むし2009年8月の記事を参照してください。分布概念図が掲載されています。
ホソツヤルリクワガタの分布は、神奈川、山梨、群馬、長野、静岡、東京・・・と限定されていますので、それ以外のエリアでは、コルリかルリかの見分け方がわかれば大丈夫です。
まずは、いちばんわかりやすいコルリクワガタです。
♂の写真ですが、胸部のふくらみ(まんなかを中心に丸く膨らんでいる)と、胸部後方がつんと突き出している特徴があります。
なれれば一瞥で判明できますよね。
胸部後方の突き出しは、メスでも同じです。
胸の形はやはり丸くて、真ん中より前が膨らんでいます。
そして、胸の後方がやはり、つんと突き出しています。
形態上からは、ルリクワガタのはっきりした特徴があります。
胸の前方が突き出しており、後方は突き出さずまるまっています。
胸部は、コルリは真ん中のふくらみが大きいですが、ルリは台形のような形です。
まずは、コルリの特徴である胸の形を確認します。
コルリではない!とうことがわかったら、そのうえで、ルリかホソツヤルリかを判断しましょう。
ホソツヤルリクワガタ♂の特徴は、大あごのつけねが食い込んでいる点です。
ルリクワガタよりオオアゴは短いといわれています。
ルリクワガタは左図の通り、大あごのつけねが食い込んでいません。オオアゴもシッカリ長いです。
ホソツヤルリのメスとルリのメスの見分けは難しいですが
①腹の色・・・コルリのように黄色いのはホソツヤルリ→これが野外での一番実戦的な見分け方。
②羽の色・・・・赤銅色~黒はルリ、赤銅色~青はホソツヤルリ→これは程度の問題なので、ある程度採集経験が必要。
①胸の形が、真ん中が膨らんでいる丸っこい形をしていて、後部がツンと突き出ている。
Yes→コルリクワガタ
No→♂の場合②へ、♀の場合③へ
②♂の大あごのつけねが食い込んでいる。
Yes→ホソツヤルリクワガタ
No→ルリクワガタ
③♀の腹の色が黄色である。
Yes→ホソツヤルリクワガタ
No→ルリクワガタ