2022年6月下旬。おもしろ理科クラブ本年初の灯火採集にチャレンジした。
いつもは梅雨の合間を狙っての採集で、悪天候覚悟の時期だが、なんと今年は梅雨が明けてしまった!しかも最高の気温だ!
今年は低温と雨に悩まされずに済みそうだ。
テンション上がりまくりのスタートである。
メンバーはいつもの3人(しげどん、ショーン、hiromif)に加えて、自転車大好きなH氏がゲスト参加して、総勢4名だ。
H氏は「骨折ライダーの行動記録」というブログも持っている自転車大好き、ビール大好きの趣味人だが、虫には興味がないらしい。
初日はいつものキャンプ場内のコテージにチェックインし、温泉につかるが、H氏はそれからバーベキューをやると思っていたらしい。でも我々の目的は採集なので、嫌がる彼を無理やり連れて、灯火採集に出発した。
採集ポイントに着いて灯火のセッティングをし、暗くなるのを待って周囲を探すと、オオクワガタ♀の死骸を発見した。
発見した段階ではまだ生きていて、たぶんカラスか何かに食われたのだろう。でも、この場所にオオクワが来ていた証拠である。
オオクワ採集の実績があるポイントなのだが、今回もオオクワが来そうな予感である。
灯火をしながら、一方でかわりばんこに車で街灯まわりをするのだが、H氏はめんどくさがって、灯火のポイントに座り続け、我々三人が交代で街灯見回りをしていたのだった。
この日は気温が高く天候にも恵まれた環境であった。しかしその割にはクワガタ襲来がイマイチだ。
なので、期待外れな気持ちでいたその時に、ドラマが起きた。
それは、ちょうど私とH氏が灯火ポイントの番をしている時だった。
大きな羽音がしてクワガタらしきものが飛んできたので、私はすぐに捕虫網を持ってその姿を追ったが、悔しい事に見失ってしまったのだ。かなり大きなクワガタのようであった。
だが、その数秒後「ここに落ちたよ」とH氏が指さす先に大きなミヤマクワガタがいた。なんとH氏は、一歩も動かずミヤマクワガタをGetしたのだった。
さらに灯火を終え、キャンプ用の椅子を畳んでいた時の事。
「ここになんかいるね」とまたしてもH氏が指さす先には、椅子のカバー袋にしがみついている大きなノコギリクワガタの姿があった。
彼はほとんど動かずにミヤマとノコの大型個体をGetしてしまったのだ。
かえりすがらクワガタを探しながら宿へ戻っり、初日は21頭を採集したが、この日の最大のノコとミヤマはH氏が発見した個体という、皮肉な結果となったのである。
宿に戻ってH氏が持ち込んでくれたキリンホームタップで乾杯!
とても美味しかったです!
さて二日目
H氏は元気にロードバイクで南会津を堪能しようと早々に出かける。その間我々は買いだしをし、バーベキューを準備だ。
コテージで、少しだけ、レジャー気分を味わった。
そして二晩目の灯火である。
H氏は虫に飽きてしまい宿に残るとの事で、二日目は三人での採集だ。前日より湿度が高く、さらに期待が持てそうである。
今回も同様に灯火の番と街灯まわりを交代でやることになるのだが、私は最初に灯火の番をすることにさせてもらった。
今日は灯火に大物が飛来する予感があったのだ。
実はこの予感は当たっていたのだ。しかしそれが痛恨の悔しさを生むことになろうとは・・・
そもそも最初は灯火セットにはなかなか飛来せず、近くの街灯を見てアカアシ、ミヤマなどを拾っていたのだ。しかしようやく灯火にミヤマ♀が飛来した。すでに開始30分過ぎ。
そろそろ大物が来る予感がした。
その時に街灯周りをしていた二人を乗せた車が戻ってきた。
「どうだった?」「いや、全然だめだった・・・」街灯まわりは成果なかったようだ。
そんな会話を交わし、私の緊張感が抜けたその時・・・・
ショーン氏が「アレ、これはなんだろう・・・
オオクワだ~!」
丁度車が戻ってきたタイミングで、飛んで来たので、私は見逃してしまったのだ。
しかし、かなり極小の♂である。でもこれはこれでワイルドの証である。
小さくてもオオクワ♂に間違いない。
なんでこんな時に飛んでくるんだよ!あと数分で私がGetしていたはずなのに・・・
とても悔しい思いの私は、次は一人で採りに行く!と、車を借りて一人で街灯まわりをさせてもらうことにした。
いつもの濃いポイントで、コクワ♂、ミヤマ♂を発見したが、気になるポイントなので、折り返して車を降りて周囲を入念に探すと・・・
近くの草むらの上にオオクワガタの♀がちょこんととまっていた!
♂は採れなかったが、♀を採集できて、なんとか面目を保ち、雪辱を果たしたのであった。
二日目の成果は、個体数は少なかったが、オオクワが2頭も採れた。
私としては悔しさも残るが、♀が1頭採れたので良しとしよう。
灯火の楽しさはクワガタ以外のいろいろな虫が飛んでくるところにもある。
今回カミキリムシの飛来はなかったが、いつものようにスズメガなど蛾の仲間は多数飛来した。
蛾には詳しくないので、少し調べてみようと思った。美しく不思議な形の種類が多いのだ。
このシリーズは昆虫全般を網羅していて、見分け方のポイントも詳説している。ある意味専門書に負けないレベルで小さくて使い勝手も良い。絶対的なおすすめ図鑑。
※蛾の図鑑はあまり種類はないが、上記を買ってみた。標本写真と生態(生きてとまっている画像)が両方掲載されているので、野外の検索にとても便利だが、分類や検索のポイントなどの記述がすくないのが難点。
翌日、オオクワガタ2頭を除くすべてのクワガタたちを森に戻した。
今回は天候にも恵まれ、楽しい採集でありました。