樹液や灯火で採集するオオクワガタなどのクワガタも、ほとんどは材割で採集できますが、ここでは材割採集がメインとなる「ルリクワガタのなかま」及び「ツヤハダクワガタ」に関して説明いたします。
服装>服装は季節に合わせた動きやすいもので、秋や春は防寒の備えが必要です。また、山の天候は変わりやすいので、カッパなどの雨具は必須です。
ナタ>ほかに、特に必要なものはナタのような木を崩す道具です。
あまりスパッツ!と切れるものよりも、崩す感じで使いますので、切れ味は必要ありません。石などに刃をぶつけて、刃を壊してから使う人もいます。斜面など足場が悪い場所での作業が必要なので、むき出しの刃でケガをしないように注意が必要です。
軍手>手をケガしないように軍手も必須です。
手斧やナタなど、ありあわせのものでもいいですが、山奥まで出かけて、道具で不自由な思いをしたくないので、昆虫採集用に用意しましょう。
そのほか、保管用のルアーケースなどは樹液採集と同じです。材割をやろうという人は充分お分かりだと思います。
コルリやルリの場合:私がコルリやルリの採集を始めた頃から、ポイント情報は手探りで探していました。
標高1000m以上のブナ帯では、どこでも高山系クワガタの採集の可能性があります。
夏場にヒメオオクワガタが採れるポイントでは、秋や春にコルリ、ルリ、ツヤハダなどの高山系のクワガタが採れる可能性が高いです。
直接ここに具体的なポイントを掲載できませんが 具体的なポイントは月刊むし195号(1987年5月号)にポイント地図入りで詳しく紹介されています。入手困難ですが、札幌の南陽堂書店でバックナンバーが購入できます。
また、新分類の分布概念図は月刊むし462号に詳しく掲載されています。
ルリクワガタ類の分布概念図の他、群馬、長野県境のホソツヤルリクワガタの分布に関する論文もあり、たいへん参考になる一冊です。
古書でしか入手できず、アマゾンでは品切れでしたが楽天にはまだ出品されていました。(2018年9月末) ぜひ入手したい一冊です。
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価格: 1,234円 感想:0件 |
フィールドに出たら、ここが醍醐味です。
コルリ場合
私の経験上の話ですが・・・
腕くらいの落ち枝で、黒っぽくて表面の樹皮がはがれているものに多いです。
また、やわらかい朽ち方で、割ると適度な固さで灰色から黄土色がおおいです。
書いている私は明確にイメージできていますし、フィールドでは「こういう木だ・・」と指し示られますが、なかなか文章では伝えられませんね~
写真のような産卵マーク「(・)のような跡」が、生息しているかの手掛かりになります。
新規開拓の場合はこれを探すのも手です。
このポイントに生息しているかのの指標ですから・・・
また、このような状態の木は、産卵マークが無くても「いそうな・・・」木であるには間違いありません。
でも産卵マークがあっても全くいない事もありますので、あくまでも手掛かりと考えましょう。
なれれば、産卵マークを見ないでも、コルリ材とわかるようになります。
ホソツヤルリは、より乾燥した細枝に多いと言いますが、私の採集経験が少ないので、そこはまだ実感できておりません。
ルリの場合
ルリクワガタの場合ですが、コルリのように細枝や落ち枝で採集した経験がありません。
また、グレーの適度の枯れ方はあまり関係ないんでは?
とにかく根っこのブナの立ち枯れですね・・・
基本的には立ち枯れです。それ以外では倒木になり、枝が落ちたレベルではなく、木が一本倒れて腐朽したような大きい材が好まれます。
ツヤハダクワガタの場合:管理人も苦労しており、新しい産地を見つけるのが楽しいです。
ツヤハダクワガタは、赤枯れ以外では発見がほぼ不可能です。
生息状態は泥状にくさったもので、よく「赤枯れ」とも言われます。
大きな材の赤枯れを見つければ複数のツヤハダクワガタが採集できます。
土状になったものより、層状に割れるくらいに赤く朽ちた中に良く穿孔しています。
ツヤハダクワガタは1987年6月の月刊むしの藤田宏さんの論文にて「原名亜種」「ミヤマツヤハダクワガタ」「ミナミツヤハダクワガタ」の3亜種に分類されました。大あごの内歯の形状が異なります。
関東圏からは一番採集しやすい(生息地が近い)ミヤマツヤハダに関しては、2000年4月 →月刊むし350号の記事が参考になります。
※古本なので、品切れのことが多いです。
また、原名亜種とミヤマツヤハダの分布境界である群馬県内の分布に関しては、1998年6月→月刊むし328号に詳しい報文があり、具体的な地名が掲載されていますので参考にしてください。
※これは、現時点で在庫がありました。
画像にアマゾンのリンクを貼りましたが、品切れのことが多いので、楽天、ヤフーも検索できるようにしました。