ここでは初心者向けに、普通種の♀の見分け方を解説します。
慣れれば個々の細かいところを見なくても、全体の印象で即時に見分けられますが、わかりやすいように特徴を標本写真で図示していきましょう。
標本の展足がいい加減で申し訳ありません。徐々にいい写真に変えていきます。
昆虫の体は、頭部、胸部、腹部の三つのパーツに分かれますが、これは背中側から見えているわけではありません。
胸部は前胸、中胸、後胸と分かれており背中側から見える胸部は前胸背板と言います。中胸、後胸は上翅の下にあります。
前脚は前胸部、中脚は中胸部、後脚は後胸部についていますが、裏側(腹側)からしか見えません。また、前翅は中胸部、後翅は後胸から生えています。
【クワガタムシハンドブック】
日本産クワガタムシの全種の分類、形態上の見分け方、生態などをコンパクトながら詳説している最強の野外ハンドブック
メスの見分け方も、標本写真をもとに詳細に解説しています。現時点で最高のクワガタムシ図鑑です。
【昆虫学者、奇跡の図鑑を作る】
【学研の図鑑LIVE:昆虫】
最近感動した本。 Byショーン黒田
新聞の広告で目にした左の本。
『昆虫学者、奇跡の図鑑を作る』
題名が気になり、早速Amazonで購入。
読むと、今年学研が昆虫図鑑の改訂を行なう際、全ての昆虫写真を生きている昆虫で撮影したと言うのだ。
はぁ?何枚?何種類?希少種も??あり得ないでしょ、、。
確かに死んだら昆虫の色は大きく変わるものが多い。オニヤンマの目がそうだ。生きているオニヤンマの目はグリーンでとっても美しいのだ。昆虫好きの私は、体験上それを知っていたので、即刻その本を読み終わらないうちに図鑑も購入
図鑑も翌日届く。素晴らしいの一言。
昆虫好きでも嫌いな人でも、アウトドア好き、山好き、自然好き、写真好き、旅行好きな方は一家に一冊、絶対常備したい本だ。生きている感覚が伝わって来る。本当に凄い!これを撮影した苦労も伝わる素晴らしい図鑑です。アナログな本、図鑑の素晴らしさを再発見しました。
【日本の昆虫1400 ①、②】
クワガタはもちろん、主要な昆虫を網羅。それぞれの生態写真や検索のポイントなどを詳説しており、価格が安価(各冊1320円)な割に内容が本格的。
標本写真だけではわかりにくい見分け方のポイントが詳しくわかりやすいです。
専門図鑑は数千円~数万円するものもありますが、この図鑑はサイズもコンパクトで、野外の検索にたいへん便利な優れた図鑑です。
野外で出会う昆虫をほとんど網羅しています。
特に迷うのは、小型のヒラタクワガタ♀とコクワ♀
小型のコクワガタ♀とスジクワガタ♀ あたりかと思われますので、重点的に解説いたします。
全体的に流線型をしていて、胸部は台形。上翅との境目はあまり凹まない。(写真赤い線)
驚くと足を縮めて固まったポーズをとる。
腹側は背中とほぼ同系統の色
脚の基部の斑紋は弱く、黒色に近い個体ではほとんど確認できない。
胸部の後縁部がすぼまり、上翅との境目が明瞭に凹む。
大あごは大きく付け根が凹む。
驚くと足を踏ん張り反り返るようなポーズをとる。
脚の基部に明瞭な黄色味を帯びた斑紋がある。
細かい毛が生えているものが多い。
小型のヒラタクワガタ♀に似るが、①頭部と胸部の縁がくぼみになり非連続。(写真の赤いライン)
胸部の形は下の幅が膨らんだ台形のような形。
②前肢脛節のふくらみが直線状で弱く外側にそる。(写真の緑色のライン)
大型のコクワガタ♀に似るが、①頭部と胸部の縁が丸く連続。(写真の赤いライン) 胸部は真ん中付近が一番幅が広い。
②前肢脛節のふくらみが大きくバチ状に広がり外縁が丸まったラインを描く。(写真緑色のライン)
羽に明瞭なスジがある。
また一般的にはコクワガタよりかなり小さい。
羽に明瞭で特徴的なスジがあり、また前胸部もヨロイのようにゴツゴツしている。
大あごが内歯が大きいため、尖った形ではなくバチ状に見える。
前胸部につやがありピカピカに光っている。
また前翅に明瞭なスジがある。
全体につや消し状。
前胸部の後縁が内側にえぐられる。(赤色の線)
足が長く、よく路上を歩いている。
標高800m以上のブナ帯エリアでしか生息していないが、ごくまれに灯火にも飛来。
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